フレッツ光はお得なキャンペーンが少ないのはなぜ？

NTT東日本・NTT西日本が提供しているフレッツ光のサービスは、現在普及しているインターネット通信のほとんどを光回線に変えてしまった立役者といっても過言ではないでしょう。
光回線とは、光ファイバーと呼ばれる回線によってデータを送受信するものです。
従来、インターネットの接続に使われていたのはアナログ回線を使用していたISDNやADSLが主流でした。
ADSLの最高速度は下り（ダウンロード）で50Mbpps程度ですが、光回線を使った通信にすると最大速度が1Gbpsと20倍も速くなります。
そのため、データ容量の大きな動画や画像の多いサイトなどでもストレス無くインターネットを楽しむことができるようになりました。
この光回線を日本中に普及したのがフレッツ光です。
フレッツ光はエリアが広く、他の光回線事業者がカバーしていない地域でも利用できるようにしました。
また、家電量販店の店頭などで大々的なキャンペーンを行い、モデムの無料配布やキャッシュバックキャンペーンなどで利用者を増やし続けてきたことも影響しています。
光回線の知名度や利用率はフレッツ光によって高まり、現在では従来の接続方法であったADSLもサービスを終了することが発表されています。

フレッツ光のキャンペーンを家電量販店などの店頭で見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
フレッツ光は加入するとキャッシュバックがあったり、豪華な家電製品のプレゼントがあったりと、様々なサービスで顧客数を伸ばしてきたというのも事実です。
しかし、現在新たにフレッツ光の契約をしようと思っても、以前のような高額キャッシュバックキャンペーンを行っている様子を見ることはほとんどありません。
なぜ高額キャッシュバックを見かけなくなったのかというと、フレッツ光は個人向けの加入者をわざわざ増やす必要がなくなったからというのがその理由です。
NTT東日本・NTT西日本は2015年から自社が持っているフレッツ光の回線を他の事業者へ貸し出す「光コラボレーション」を開始しました。
光コラボ事業者になると、貸し出しされた回線を利用して回線使用料とプロバイダ利用料をセットにして利用者に提供できるようになります。
利用者を集めるのは光コラボ事業者が行うようになるため、NTT側は何もしていなくても回線の貸し出し料金を回収するだけでじゅうぶんな儲けを得られます。
わざわざフレッツ光の個人利用客を増やすよりも、もっと簡単に収益を出せるような仕組みを作ったということなのです。
現在光コラボ事業者として登録されている企業はプロバイダの会社や携帯電話の会社などを中心に数百に及びます。

光と言えばフレッツ光というイメージをこれまで持っていた方も多いでしょうが、光コラボが始まったことによって、現在ではフレッツ光以外にも様々な選択肢があります。
利用料金もフレッツ光と比較してお得に使えるところもあり、目的や利用環境に応じて自分に合う事業者を見つけることもできるようになりました。
また、フレッツ光では回線使用料とプロバイダ使用料がそれぞれ別に請求されますが、光コラボでは回線使用料とプロバイダ使用料がセットになっているため支払窓口の一元化も可能です。
各種手続きも１ヶ所になるのでより便利になったと言えるでしょう。
しかし、フレッツ光にもデメリットばかりではありません。長年に渡って培ってきた信頼と実績があるので、より安心できるところでインターネットを利用したいと考えている方にはフレッツ光もおすすめです。